装神少女まといが凄いんだって話
✴︎「私は、普通を守るために、特別になる」
装神少女まといは2016年秋期にTOKYO MX他で放映されたWHITE FOX発にして初のオリジナルアニメーションである。
✴︎装神少女まといを知ってもらいたい
現在私のTwitterアイコンになっているこのキャラクターはアニメ「装神少女まとい」の主人公、皇まといである。このアニメが放映されていた2016年の秋期は変身したり魔法少女だったり魔女だったりのアニメが豊富(ブレイブウィッチーズ、終末のイゼッタ、フリップフラッパーズ、魔法少女育成計画、VividStrike!、魔法少女なんてもういいですからセカンドシーズンに加え装神少女まとい)かつ、どれも素晴らしいアニメだった。
来期は魔女・魔法少女系アニメが異様なほどに多い
— 七転某平㌠ (@Sudako501) 2016年9月6日
しっかしまさかストライクウィッチーズシリーズとなのはシリーズが同時に放映される瞬間が来るとはねぇ… pic.twitter.com/O0yOuzrGjT
恐らく話題性は魔法少女育成計画が強かったであろう。VividStrikeも4話で衝撃的な展開が発生し話題になった事は記憶に新しい。玄人アニメと云う表現が似合うフリップフラッパーズもコツコツ掘られている印象はあった。しかし装神少女まといは観測範囲内ではほんの一握りの人しか話題にしていない。私は、この素敵なアニメをもっと多くの人に知ってもらいたいのだ。
✴︎装神少女まといとは
装神少女まといは父子家庭で暮らす中学二年生の少女皇まといがひょんな事から「ナイツ」と呼ばれる異形と戦う「纏創の巫女」になってしまうところから話は始まる。序盤は「敵が来る」→「戦う」と云う変身バトル物のセオリー通りの筋書きに「纏創(変身)の際に服が消え去るので変身解除すると素っ裸」「素っ裸の主人公が人目を避けながらどうにかこうにか帰宅しようと試みる」などと言った深夜アニメ要素を加えて作られた色物風味のアニメであった。
雨の降る明け方に巨大な葉っぱで体を隠し、ギャグ泣き顔でスニーキングミッションを繰り広げてる女子中学生。これ、主人公なんですけどなんと云うか(新感覚…!)ってなる。
因みに女子中学生が野外で全裸になる作品はこのクールにまだあった。フリップフラッパーズって云うんですけど。
よかったら此方も見て頂きたい。
✴︎装神少女まといの魅力
中盤に差し掛かると謎が増えると同時にキャラクター同士の関係性にも踏み込み始める。私はこの部分を特に語りたいのだ。某平ちゃんは語りたい。
装神少女まといは人と人の連結が美しく描かれている作品なのだ。主人公であるまといと父親の伸吾。まといがバイト巫女をしている神社の娘で後輩の草薙ゆま。そして「ナイツ」を狩る「アンチ・クリード」を育成、派遣するイギリスの組織「ファティマ」から日本にやって来たクラルス・トニトルス。彼女たちのそれぞれ通じ合う関係性は変わらないもの、変化していくもの、どちらも素晴らしく尊いものであった。
まといは父親の事を「伸吾くん」と呼ぶ。これはとある事情から母親が居なくなった時、祖父母に引き取られ最近まで父親とは暮らしていなかったためである。伸吾の方も娘との接し方を模索し続けており、どこかぎこちない2人の関係は危なっかしくも優しくて美しい。
何が良いって年頃の女の子が雨に一度濡れて「一旦""風呂に入って""いるのに」髪を乾かした上で整え、外出着を着直してもう一度濡れる事を理解しながらそれでも父親のために雨の中、足元も悪いだろうに歩いて来ている事なんですよね#matoi_anime https://t.co/fMcHNF75H8
— 七転某平㌠ (@Sudako501) 2016年11月29日
後輩で友人のゆまは物語の狂言回しとして機能する役所であり、騒がしく賑やかなハイテンションタフネスガールと言える。物語が進むにつれその表層的な性質に反して非常に思慮深く友達思いの側面も露わになり、まといに関わる決断を迫られた時などその精神性は中学生の域を凌駕してすらいる。
草薙ゆまと云うキャラクターは可愛いとかその辺りを超越した、人間として最高峰のキャラクターだと思う
— 七転某平㌠ (@Sudako501) 2016年12月21日
装神少女まといを見てくれ
事件に巻き込まれて突発的に力を手にした主人公に対して立つ、変身バトル物でお約束な「前から戦い続けていた」キャラであるクラルス。彼女はまといが父親との約束と纏創の巫女としての責務に板挟みになって苦しんでいる時は「貴女は戦わなくてもいい」と優しい言葉をかけてくれるのだ。
主人公が唐突に巻き込まれた異形と戦いに昔から身を置いてきた金髪の騎士って位置づけのクラルスが、常に主人公の事を気遣っていて、主人公が父親との板挟みになって悩んでる時とか「貴女は戦わなくていい」って優しく言ってくれたり、既存の元から戦ってた系金髪騎士様像を破壊してくれるの本当に好き
— 七転某平㌠ (@Sudako501) 2016年12月14日
そう、装神少女まといと云う作品におけるキャラクター同士の関係性の連結は積み上げた描写のうえに確かに存在する非常に強固なものであった。見ていて本当に心が暖かくなる描写が多く、そんな素敵な相関図が描けるアニメを多くの人に見て欲しいと願っている。
この確かに「積み上げられた」作品としての層は物語終盤、圧倒的な展開力でもって一気に並べられて端から折り畳まれていく。まといの母親の謎、まといの覚悟、ゆまとクラルスの友情、伸吾の涙…。序破急の急にあたる部分のぶん回しは、1話2話で主人公がストリーキングをしていたアニメとは思えない程の途轍もなく美しい熱量を誇り、今まで見て来た物が全て紡がれて一本になっていく凄まじい感覚を味わえる。こればっかりは全てを視聴してそこに突っ込んでいって貰わなくては感じる事は出来ないであろう。
✴︎装神少女まといを見てね
装神少女まといは最後の1秒まで本当に自分好みの終わり方をしていて、めちゃくちゃな満足感を得られた作品です。なるべく多くの人に知ってもらいたくて筆を執りましたが少しは伝わったでしょうか。みんな見てネ!