某平の七転

八倒か八起か考えてみたくない?

【すかすか】終末なにしていますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?の良質な男女カプのお話【※カップリング語り注意】

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✴︎終末なにしていますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?が面白い

終末なにしていますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?(以下公式推奨略称すかすか表記)と云う今期アニメをご存知だろうか。

まず目を引かれるのはこの妙に長いタイトルだ。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」等に代表される「〜件について」「〜なのだが」「〜⁉︎」的な自己完結型のタイトルとは別種の、全文に渡って問いかけのみの中々珍しい長文タイトルである。週末ではなく終末。救ってもらっていいですか?と云う最後の問いかけと合わせて儚げな雰囲気を感じる。事実この作品は人間族最後の生き残りと使い捨て妖精兵が遠い未来の空の上で出会う物語なのだ。

獣と呼ばれる正体不明の厄災によって滅ぼされた地上で、石化したまま500年の時を経て復活を果たした主人公、ヴィレム・クメシュは人間族最後の生き残り。滅びを逃れた種族たちが空へと上がった世界で無気力に過ごしていた。そんなある時友人、グリックに勧められた兵器管理の仕事でヴィレムは本作のヒロインである妖精兵、クトリ・ノタ・セニオリスと出会う。遺跡兵器(ダグウェポン)と呼ばれる武装を用いて獣と戦い、自爆する事で相討ちに持ち込む事を求められる妖精兵クトリに、ヴィレムは死以外の違う道を提示する。そこからヴィレムとクトリの本格的な関係性が始まったのだ。

✴︎私の好きなノマカプのお話

好きなノマカプ、と一口に申してもそれはもう様々なパターンがあるが、その内の一つが精神的年の差カプである。精神的、と書いたのは年の差カプとはJK×アラフィフなどと言った肉体的に大きな隔たりのある組み合わせを想起させるからであり、精神的年の差とは実際はやたらめったら歳が離れてる訳ではないけれど、経験やそれに基づく人生観が醸成されている男性と優秀だけれど精神的に未熟な面もある女性、と言ったような組み合わせだと思ってもらえるとありがたい。加えるファクターとして、タイミングや条件でずっと有能だった男性が精神的に揺らいだり、どうしようもなくなった瞬間に、今まで彼に助けられていた女性がその男性を包み込んでくれるシーンがあるとなお良い(なんの主張だよ)。

✴︎ヴィレムとクトリの関係性

さて、ヴィレムとクトリは取り敢えず前半部分のその条件には当てはまる組み合わせである。

クトリは彼女に自爆特攻以外の道を指し示したヴィレムに対し、過去に散っていった先輩たちの志を穢すようだと反発を感じつつもどうしようもなく惹かれて行く。ヴィレムもまた、彼のかつての家族をクトリに重ねながら彼女自身に対し複雑な愛情を抱きつつある。先週放送された4話、そして今週放送された5話では、ヴィレムが自身の手の届かない所に行ってしまうと感じ、涙ながらにヴィレム縋り付くクトリと、クトリがかつて自爆を命ぜられた戦場から帰ってこない事に心乱され、防衛戦が失敗したと報告されると絶望してへたり込むヴィレムを見る事が出来る。普段は割と無気力そうだったり軽薄そうにも見えるヴィレムがクトリを喪ったかも知れない、と考えた時に普段の彼からは想像も出来ないくらいに狼狽し、精神的に弱いところを見せる。又、ヴィレムに対し普段はそこまで素直な面を見せようとしないクトリがヴィレムがもしかすると手の届かない所へ行ってしまうかも知れないと感じ、涙を隠さずに想いを告げる。互いが互いを想い合っているのにも関わらず状況が暖かな関係性を育む暇さえ与えてくれない。この世界は痛みに満ちている。どうかこの2人が行く末が、光と優しさに溢れん事を…。 

✴︎終わりに

すかすかは未来ファンタジーと云う辺りのジャンルであろうか。今の所メイン3人がミドルティーンの少女、そしてその周囲にはわらわらとローティーンの少女たちがいる。皆黄金妖精(レプラカーン)と呼ばれる妖精種なのだが身体的特徴は人間とそうは変わらない。幼女組にも見せ場があるので、可愛らしい少女を見たい人にもお勧めである。